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2016年8月 9日 (火)

3回目の入院(3)・腫瘍の手術(1)

6月07日(火):手術の日
手術着に着替え手術室に移動したのは9時頃。
執刀医、麻酔医、ICUの看護師たち…、の皆さんが迎えてくれた。
病室よりカラフルな制服だったように記憶している。
すぐに麻酔で眠ってしまったから手術中のことは全く覚えていない。

麻酔から覚めた時はICU(集中治療室)のフカフカのベッドの中だった。
夕食の配膳をする音が聞こえたから18時頃だったと思う。
8時間を超える手術! 
待合室で順番を待つ患者さんの気配を感じた。
ボクの手術が伸びたため翌日に延期になったようだ。
看護師と何か言っているようだったが、全て夢の中の出来事のように思えた。

その夜はずっとICUで過ごした。
ベッドの中でボンヤリ過ごすボクの耳に救急車の音がひっきりなしに聞こえてきた。
緊急手術する救急救命医の言葉や看護師の声も聞こえたような気がする。
しかし到着する救急車で運ばれてくるのは生きた患者さんだけではなかった。
黙々と遺体の処置をする看護師さんの姿をボクは薄~く開けた目で見ていた。
生命と直接向き合う崇高な仕事! ボンヤリした頭でも尊敬の気持で一杯だった。

6月08日(水):面会
ICUの面会は午前9:00から。
突然の面会者が入って来れないように入口に椅子や机が積み上げられていた。
時間が来て宿泊棟に泊っていた妻と面会できるようになった。
けれど
・顔がイヤイヤをするように横に触れたり、
・言葉がはっきり出てこなかったり、
・筆談しようとした文字が正常に書けなかったり、
・天井がグルグル回っているような気がしたり、
・物が二重に見えたり…。
それでもそばにいてくれることが心強かった。
看護師長の話や、患者の体を拭く講習の後、病棟のベッドに戻った。
それからしばらくの間、上のような症状が続き食事も妻にスプーンで食べさせてもらった。

6月09日(木) or 10日(金):身体拘束

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ベッドから落ちた、二回も!
担当看護師に「用があったらコールして」と、何度も何度も言われていたのに。
机の上のタオルを取ろうとしただけ。伸ばした手が届く寸前で落ちたのだった。
ベッドに這い上がろうとした。…が、足に力が入らなかった。
同部屋の患者さんが歩く軽やかな足音に(ボクにも出来る)と錯覚したのかもしれない。
床でもがいているボクにたまたま気が付いた患者さんが看護師を呼び、事なきを得た。

「悪いけれど…」看護師に言われ、腹部を拘束具で固定された。
それから2、3日、起きることはもちろん、食事もトイレも自分の意志で自由にできなくなった。
自ら蒔いたタネとはいえ、しばらくの間トイレはナースコールを押してシビンの中に、
モノを取る時も、食事をする時もいちいちボタンを押して看護師の手を借りることになった。
こうした状態が長く続くと「あきらめ」や「絶望」に近い心境に陥るものだ。
日本国憲法 第十二条
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、
これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、
常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

自由は自らが主張し行使するものであり、その大切さ・必要性を再確認することとなった。

リハビリ
言語、日常作業、歩行。…1日3回、各30分~40分のリハビリも行われるようになった。
短文の続きを想像して話を作る課題が楽しかった。
杖をつきながら歩いて洗濯物を干す課題も楽しかった。
体幹を鍛える運動はキツかった。特に片足立ちは難しく、2秒と持たなかった。
体のバランスを取ることが困難のように感じた。
それでも例えばトイレの場合、
ベッドでシビンを利用→車椅子でトイレに移動→杖をつきながら見守り歩行…
というように徐々に回復していくことが嬉しかった。
「だいぶ歩けるようになったね」
「頑張っているね」
どこかで必ず見ていて、そんな風に何気なく励ましてくれる看護師の言葉が嬉しかった。

6月20日(月):転院
4時頃、起床時刻よりだいぶ前だったがもう明るかった。
見守り歩行でトイレに行き、そのまま起きた。
「今日は良い日ですよー」
転院を祝ってくれる看護師の言葉が嬉しかった。

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早めの昼食。今日は天ぷらそばであることもお祝いされているようで嬉しかった。
これが転院ではなく「退院」だったらもっと嬉しかったろうに…。

12時40分、介護タクシーが来た。リクライニング式の車椅子に乗って病室を出た。
ナースセンターの前では、手の空いている看護師さんたちの軽い会釈に送られた。
「8月にまた入院します。その時はよろしくお願いします。」
(また来ることを約束するなんて変な気持ちもしたけれど…。)
車椅子のまま介護タクシーに乗り、そのまま後部に固定された。
13時05分KMCの玄関を出発、相模原のS病院に向かった。

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