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2016年11月18日 (金)

受診日

K大学脳外科受信日の11月11日(金)は雨だった。
前日(10日)も前々日(9日)も秋晴れの青い空が広がっていたのに、
受診予定日の今日だけが朝から雨が降っていた。
晴れていれば、歩行器を利用して病院まで歩いていくことも可能だったのに。
ベランダから、傘をさして出勤する人たちを見ながら気持ちはブルーだった。

バスを利用するためにウォーキングポール(歩行用2本杖)を準備した。
歩くには不安定ではあるけれど杖歩行に決めたこともあってワクワク感もあった。
転院するときは車椅子だったKMCのDr.(主治医)はどう迎えてくれるだろう。
退院するときはシルバーカーだった東病院はどんな表情を見せてくれるだろう。

Photo
ウォーキングポール(クリックすると大きな写真が見えます)

相模大野駅からK大学病院行きのバスは本数が多い。
しかし大沼経由の路線は渋滞でいつも遅れるという。
受診受付は12時からだったが、少し早めの9時30分に家を出た。

大野駅行き方面の道路は混んでいたが、病院方面への流れはスムースだった。
予定より1時間も早い11時15分に1階の受付け、
11時30分には2階の外科・外来受付を済ませることができた。受付番号は1500番台。
「早く受付けができて良かったね」。…その時はそう思った。

外来受付前のベンチで順番を待った。
この病院の呼び出しは、電光掲示板によるデジタル表示だ。
自分の受付番号と表示をいつも見比べている必要がある。

いつだったか新聞の「声」蘭で、
「〇〇様」という音声の呼び出しがどうのこうのという投書を読んだことがある。
患者はお客様ではない…とか、
プライバシー尊重のために音声でないほうがよい…とか。
どちらが良いのか、きちんと診てもらえればどっちでも良いように思えるけれど。

それにしても、ボクの受付番号がちっとも表示されない。
12時を過ぎた。表示される番号は1600番台に変っていた。
12時30分を過ぎた。表示は1700番台に変っていた。
「抜かされてしまったんだろうか…」
「13時まで待ってまだ呼ばれなかったら…」
そう思っていた12時50分、ようやく1500番台のボクの番号が表示された。
診察室前のベンチに移動して待つと13時
「室内に入るように」と今度はすぐに表示があった。

ウォーキングポールに支えられながら入るボクを見てO.Drが笑顔で迎えた。
「しっかり歩けていますね。元気になって良かった。」
…そう今年5月7日の診察でボクは
<何もしなければやがて意識がなくなり7月まで持たないかもしれない>
と言われていたのだ。
http://s-ok.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/2-d84b.html
それが11月を過ぎた今、杖に支えられながらだけれどここにいるのだから。
「ありがとうございます。おかげさまで生きながらえることができました。」
手術して良かった、心からの感謝の気持ちが言葉として発せられた。

「指先を見つめてください。」
左右に大きく振られた指先を目で追った。
手術直後は眼球が動かず、目の焦点も合わせることができなかった。
今はある程度まで追うことができ、焦点を合わせて[見る]こともできる。
「うん、だいぶ良くなっていますね。
 大きな腫瘍が神経を圧迫していたのです。
 それが手術で取り除かれたから回復しつつあるのです。
 めまいやふらつきも、時間はかかってもきっとよくなりますよ。
 手術の時は神経には触れていないから。」
「念のため、2ヶ月後に経過を診ることにしましょう。
 来年1月半ば、MRI撮影の予約をしておきます。
 朝撮影すれば、お昼頃には結果をお知らせすることができます。」
これからも続く未来への、希望の持てるそんな診断が嬉しかった。

診察そのものは15分程度だった。
MRI撮影の前提となる採血を済ませ、6階の食堂に上がった。
大きな窓から稜線を雲におおわれた丹沢山塊が見えた。
その左、足柄・箱根と続く山並みが相模湾に没する辺り、
小田原付近上空の雲が開けて陽が差しこみ明るかった。

K大学とK大学東病院を結ぶ無料のシャトルバスで東病院に向う。
・東病院3階のナースセンターで退院時に忘れたモノを受け取ること、
・車椅子で転院してきたボクが2か月間のリハビリと自主トレで、
 シルバーカーで退院できるほど回復したお礼の気持ちを伝えたかったこと。

以下にそのために用意した写真とコメント。

病棟3階にある食堂から、晴れていれば丹沢の稜線が見える。
あのピークは〇○、その右は〇○。あそこを歩いた、あの稜線も歩いた…。
この病院は山の好きな人が多く、リハビリ中も山の話題で話がはずんだ。
再び山を歩けるようになりたい。強い願いがリハビリのモチベーションになったのは、
この病棟から丹沢の稜線が間近に見えていたからかもしれない。

Photo_2
                    丹沢稜線

「山に行ってきました」
やはり山の好きな人から、紅葉した山(日光白根山)の写真を見せてもらった。
山腹を彩る赤や橙、黄色のグラデーションが空の青さに映えて美しかった。
深い緑色をした湖の向こうに見える稜線はなんという山々だろう?
印象に残っている風景を思い出しながらカシバードに描かせて印刷しこの日持参した。
山に行けないボクに秋の山を感じてもらおうとする気づかいがとても嬉しかったのだ。

Photo_3
                    日光白根山より

ST(言語療法)の部屋はその性質上防音が施され、ドアを閉めると外の音が入らない。
今日は晴れているのか降っているのか、暑いのか涼しいのか外の気配が伝わらない。
病院の敷地は木々が多く、窓の外には丹沢やオダサガの市街地も見えるのに。
壁に雑木林の小径を描いた小さな額の架けられていることに気が付いた。
外に広がる大きな自然を感じればリハビリの励みになるかも知れない。
…ボクも2枚の写真を用意した。
1枚は入笠山牧場(長野県)で、もう1枚は丹沢(神奈川県)で。

Photo_4
                    独り立つ

Photo_5
                    黄金のじゅうたん

一連の用事が終わりナースセンター側のリハビリ室入口に立った時…。
OT(作業療法)の机でリハビリ中の先生と患者さんが見えた。
「雨の中、来てくれてありがとう!…」
笑顔でうなづく先生方に、
「こんなに元気になりました!…」
と会釈を返した。

廊下側の入口からリハビリ室をのぞいた時…。
PT(理学療法)のベッドや介護機器でリハビリ中の先生や患者さんが見えた。
「(ウォーキングポールで来るなんて)s-okさんらしいですね!」
ヤッ!と手を上げる先生方に、ポールを高く上げて返した。

エレベーターで1階に降り玄関に向う途中、
1階リハビリ室から玄関側に向かって歩行訓練中の先生方と患者さんが見えた。
「よく似合います! 恰好良いですね!」
背筋を伸ばしてポールウォーキングするボクに先生が声をかけた。
「おかげさまでこんなに歩けるようになりました。」
と声に出して先生に。
そして心の中で
(頑張って下さい、あなたもきっと自分の力で歩けるようになりますから…。)
と先生に支えられて歩く患者さんに声をかけた。

外に出ると歩道は濡れていたが雨は止んでいた。
バス停で相模大野駅行を2台やり過ごし比較的空いていた3台目のバスに乗った。
座席に座って目を閉じると渋滞もなく思ったよりスムースに大野駅に戻れた。
(受診して良かった…)。病院に行く前のブルーな気持ちは消えていた。
(まだ決まっていない在宅リハビリ。けれど今できることはいっぱいありそうだ!)
そう強く思いながら家路についた。

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