« 4回目の入院(3)・リハビリ | トップページ | 東病院編:転院 »

2016年12月30日 (金)

4回目の入院(4)・自主リハ_転院編

視点が定まらずモノは見えてもはっきり見えない。
めまいやふらつきが続き自力で歩くこともできない。
手術はうまくいった(はず)なのに出来ないことがまだ多い。
でも出来ないことを嘆くより今出来ることを実行しよう。

歩くための筋力やバランス能力を維持する(落とさない)ために何ができるか考えた。
カーテンと壁・棚で仕切られた3m四方の空間。ベッドの上でもできるトレーニング。

自主トレーニング

<例1>腰
①仰向けになり両膝を立てる。
②静かに腰を上げる。
③呼吸を止めずに「1,2,3…」5まで数える。
④腰を下ろしもとの姿勢に戻す。
⑤同じ動作を20回繰り返す。

S1

             ブリッジ

<例2>腹
①ベッドに仰向けになり両膝を立て、一方の足を伸ばす。
②伸ばした足をベッドから10cmほど上げ「1,2,3,4…」とカウントする。
 最初は30(30秒間)ぐらいまで。ムリはしない。
③足を替えて同じように繰り返す。
④慣れて容易にできるようになったら両足を伸ばして上げる。
 何日か繰り返すうちに、カウントは60(1分間)を越え120(約2分間)までできるようになった。

<例3>脚
①ベッドの縁に浅く腰を下ろす。
②「こんにちは!」と頭を下げ重心を前に移す。
③お尻が浮いたら膝を伸ばして立つ。5秒間ほど静止。
④「さようなら!」と頭を下げ重心を後ろに移す。
⑤膝を曲げお尻を静かにベッドに下ろす。
⑥同じ動作を20回繰り返す。

この他にも
・ベッドの縁に座り片方の足を伸ばす。
・棚やベッドの縁(柵)につかまってスクワット。
・棚やベッドの縁(柵)につかまって踵上げ。
・棚やベッドの縁(柵)につかまっ片足立ち。
・…
出来ることはたくさんある。時間もたっぷりある。
幾つかを組み合わせ、一日に30分~1時間は筋トレやバランス運動に取り組んだ。
タオルを丸めてボールを作り投げ上げてキャッチする。…動体視力=目の運動=も忘れなかった。

朝、洗面の終わった後、車椅子を押す看護師さんに頼んでディルームに行くこともあった。
ディルームの窓から送電鉄塔が見える。送電線を右に追っていくと丹沢山塊が見える。
あの送電線は神奈川県とつながっている…。想像することは愉快だった。

S2
               送電鉄塔

窓の外に駐車場があり、その一角にアンテナ鉄塔が建っている。
1本のはずなのに両目で見るとダブって見えるこの鉄塔もよく目のトレーニングに利用した。

S3
     左側視界がダブって見える(イメージ)

首から下を固定し顔だけを左右に振れるようにする。
両目でアンテナ鉄塔を見つめ左にゆっくり顔を振って行く。
顔が右から正面15°を越えるとアンテナ鉄塔が二重にダブって見えてくる。
次に片目を隠し、同じように顔を振る。…片目の時は1本に見える。

S4
  斜め右側視界や片目の時は1本に見える(イメージ)

見舞いに来た妻や息子の診たてによるとボクの眼球は中央から左への動きが悪いようだ。
「目の動きが変。そっぽを向いて話しているみたい!」
現役の頃「相手の眼を見て話しなさい」と言っていたボクが妻に言われてしまった。

それでも外の風景を見る事で気持ちが落ち着くし目の疲れも取れるような気がする。
ディルームでぼんやり外を見ている時間が楽しかった。
「〇時ごろ部屋に戻ります。迎えをよろしくお願いします。」と約束した時間。
車椅子を準備して迎えに来る看護師さんの来る時刻がずいぶん早く感じた。

転院準備

朝・外来患者の診察が始まる前、または夕方・診察の終わった後、必ず脳神経外科Drの回診があった。
まだ自力で歩くことは出来なかったし、はっきり見ることも出来なかったけれど(特に正面から左側)、
「体力がずいぶん回復してきましたね。」とか
「リハビリもだいぶ頑張っていますね。」とか励ましてくれたり、
(ややはすかいに顔を向けて話すボクに)
「こっち(左側)も見るようにしてね」とアドバイスしたり、
「今、帰ってきました。」と外国(出張)から帰ってきたばかりのDr.がわざわざきてくれたり…。
こうした脳神経外科チームの連携が心強く、今の状況にしっかり向き合おうという気持をさらに高めた。

手術から一週間過ぎ、8月24日(水)に抜糸。
現在の手術は糸ではなくホッチキスの針のような用具で止めているようだ。

S5
               手術跡

痛みは全く感じないけれど、針(?)を切るバチバチという音は気持ち良いものではなかった。
抜糸は10分足らずで終わった。
「(手術の傷は)とてもきれいです。」
事後処置をしながらDr.が言った。

退院(転院)準備

失調の症状は残っているものの体力の回復は順調だった。
・「(失調の症状は)たぶん神経がマヒしているからだと思います。
  時間はかかるけれどマヒは必ず治ります。」
・「べっとりはり付いていたおでき(腫瘍)を取ったばかりですからね。
  でも神経は動いています。マヒも必ず治ります。」
・「退院してすぐ家に…とはならないでしょう。リハビリも続けて頑張りましょう。」
・「大丈夫ですからね。家の近くでリハビリできる病院への道筋ちゃんとつけますからね。」
・「いったん家に帰りたいと言っているけど、家から近ければいつでも外泊できますよ。」
退院した後のリハビリも、Dr.と妻の間で順調に進められているようだった。」

こうして退院後の転院先は、回復期リハビリ専門のK大学東病院に決まった。
9月1日(木)、10時頃までに手続きをすませること、…が条件だった。

退院(転院)に向けて妻は車椅子をレンタルし、専用のクッションも用意してくれた。
「9月1日は晴れて欲しい」
相模原にある東病院まで圏央道を使って1時間と少し。
朝が早いこともありまだ自力で歩くことのできないボクは強く願った。
ちょうどその頃迷走する台風10号が接近中で
9月1日前後に関東地方に再上陸する動きを見せていたのだ。
台風の進路予想などTV画面はよく見えなかったけれど、音声に神経を集中した。
最悪の場合…、タクシーを利用するしかないな。

S610
     迷走する台風10号(08/29_NHK_TVより)

10時までに東病院に入り手続きを済ませるには、ここ(KMC=埼玉県)を9時前に出なければならない。
その時刻に間に合わせるために、妻は6時頃には自宅(相模原)を出ることが必要になる。
結局妻は前日からここ(KMC)の宿泊施設に泊り、介護タクシーも予約することにした。
入院手続きの予定時刻についてもソーシャルワーカーを通して東病院と相談することになった。

9月1日(木):退院(転院)する日の朝、
心配していた台風10号は昨夜のうちに三陸海岸に上陸し北海道から日本海に抜けていた。
東北・北海道地方に大きなツメ跡を残したが関東地方には台風一過の青空が広がっていた。

早めに起きて洗面を済ませ、車椅子を押す看護師さんに頼んでディルームに行った。
だれもいない部屋は朝の明るい光に満ちていた。

S7
          ディールーム

今日は昨日の続き、昨日と同じ日常が再び始まる。…と以前は思っていた。
しかし陽の光が刻々と変わって行くように
ボクの中でも過去という時間の積み重なりが気持の上で微妙な変化をもたらしていた。
新しい旅立ち。これから始まる新しい環境の中でボクはどう変わって行くのだろう?
ちょっぴりの不安と大きな期待で一杯だった。

部屋に戻り朝食が終わった後退院に向けて荷物の整理をした。
全てをバックに収めストレッチをしている時Dr.の回診があった。
・「今朝も完食ですね、よしよし。
  リハビリが順調に進めば早めに退院できるかもしれません。」
・「いよいよですね。転ばないように気を付けて下さい。
  あちらでもまたボクの外来に来てください。」

退院が決まったあと巡回にくる看護師さんたちにも口々に声をかけてもらえた。
・「おめでとうございます。リハビリも頑張って下さい。」
・「ふらつきもめまいも必ず治りますからね。信じて頑張って下さいね。」

介護タクシーは9時少し過ぎに来た。
病室を出てナースセンターの前を通る時、中で仕事をしていた看護師さんに声をかけた。
「退院します。長い間お世話になりました。」
「おめでとうございます。
 こちらに来る機会があったらナースセンターにも寄って下さいね。」
こんな返事を聞いた時
退院(転院)すればここに来ることはなくなる! …ことにあらためて気が付いた。

2015年1月に生れて初めて入院、続いて生れて初めての手術。
2016年6月の再(々)手術に向けて体力をつけるための入院を含め100日間近かった入院生活。
お世話になったDr.や看護師・介護師・療法士…、皆さんの顔が次々に浮かび胸がキュンとなった。

« 4回目の入院(3)・リハビリ | トップページ | 東病院編:転院 »

入院記」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/559408/64697084

この記事へのトラックバック一覧です: 4回目の入院(4)・自主リハ_転院編:

« 4回目の入院(3)・リハビリ | トップページ | 東病院編:転院 »

2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
無料ブログはココログ