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2017年1月12日 (木)

東病院編:転院

9月1日(木)

9時45分
KMC(K大学メディカルセンター=埼玉県北本市)のディールームから圏央道が見える。
ときおり高速道を走る車も見える。遠くの風景と緑系統の色彩は目を休ませてくれる。
窓の外に高速道など遠くの景色を見つめることも、ボクの目のリハビリの一環だった。
ボクの座る車椅子を乗せた介護タクシーは、その圏央道に乗り南へ相模原に向かっている。

01
                         圏央道

KMCは見えるだろうか? 後部フロアに固定された車椅子に座ったまま顔を右に向けた。
林の緑が車窓を流れるだけで建物を捉えることはできなかった。
転院したらもうこちらに来る機会はないだろう…。
病院の玄関を出てタクシーに乗る前、もう少しよく見ておけば良かった。
転院し新しい環境に変わる緊張感とちょこっとした寂しさの入り混じる複雑な感情だった。

まだ左右の視点が定まっているわけじゃない。
特に車窓を流れる風景など動きのあるモノは目をひどく疲れさせる。
目を閉じて車の振動に身を任せた。
スピードが落ちた…と感じた時が一般道に下りた時だった。

10時50分
相模川を越えれば東病院はもう間もなくだ。玄関前に着いた時10時50分だった。

KMCを出たのが9時25分だったからおよそ1時間30分。受付指定時刻は過ぎているが
KMCのソーシャルワーカー・Ninさんと東病院の受付との間で話がついている。
問題なく手続きを済ませることができてひとまずホッとした。

病院の受付ロビーに入ってまず驚いた。
手続きを済ませて車椅子を押してもらいながら病棟に向かう時もっと驚いた。
広い廊下、敷き詰められているじゅうたん。
ここは病院? ちょっとしたホテルに入るような気がした。

02
       廊下              談話コーナー

11時00分
車椅子のままエレベーターで3階西病棟に上がる。病室はカーテンで区切られた2~3m四方の空間。
4人部屋の廊下側で中央通路の奥に大きな窓がある。可能なら外が見える窓側が良かった…。
部屋の大きさはKMCの病室と変わりない。違うのは食膳を乗せる介護机にTVが固定されていること。

04
       頭側                足側

ボクの担当看護師はIzさん。
荷物の整理をする暇もなく入院生活に関する説明が行われた。ただしたくさんあって覚えきれない。
(以下にその一部を案内プリントから抜粋。回復期リハビリ病院である特徴が伝わるだろうか?)
・担当医師はFuk.Drであること。
・食事は原則として食堂で摂ること。
・毎日ST、OT、PTのリハビリがそれぞれ45分~1時間行われること。
・パジャマ(就寝時)とリハビリ着(リハビリ時or通常時)を着替えること。
・病棟生活の全てがリハビリテーションの一環であること
・…etc

基本動作の確認も行われた。
・ベッドで寝返りを打つ。
・横に寝ている状態から起き上がる、
・ベッドの縁に腰をかけ立ち上がる、
・ベッドの縁に腰をかけ車椅子に乗り換える。
・…etc

こうした基本的な動作は自分の力でできる。
続いて…。
・バイタル(血圧、脈拍、体温…)、血中酸素濃度などの測定。

12時15分
いつの間にか12時を過ぎていた。車椅子を押してもらいながら食堂に向かった。
食堂では机が並べられ十数個の「島」が作られていた。一つの「島」に5~6人。
全体で30人前後。座る場所は病室毎に決まっているようだった。

椅子のない所は車椅子、イスのある所は歩行器または杖の利用など自力歩行の出来る人。
回転椅子の置かれているところは看護師、その両隣には食事介護の必要な人が座る。
その当時まだ自力歩行のできなかったボクは車椅子のままその中の一つに案内された。

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          食堂       食堂(反対側から)

食事が終われば歯磨き。
「薬飲み終わったら、歯磨きに行きましょうか?」
もし声をかけてもらえなかったら手を挙げて「薬飲用・歯磨き」の意志を現す。
歯磨きのセットは洗面台に準備してある。終わればベルで合図し部屋に連れて行ってもらう。

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       洗面台          窓の外に丹沢

もちろん自力で移動できる人は、洗面台が空いていれば自由に使うことができる。
また許可の出ている人は自室や自室近くの洗面所を自由に使うこともできる。
障がいの異なる様々な患者さんに対応する合理的なシステムだと思った。

13時00分
車椅子で部屋に戻る。この時先に帰っていた同室患者さんの紹介があった。
ベッドに寝たきりの患者さんの眼から見れば、自力で基本的な動作が可能なボクは良い方なのかもしれない。

13時30分
看護師が「転倒転落予防」のためのDVDをセットし視聴。
映像の中に「落し物を拾おうとしてベッドから転落する場面」がある。
ボクも経験しそのために身体を拘束されたことがある。
すぐ目の前のタオル、手を伸ばせば簡単にとることができる…と思ったのにできなかった。
そのままベッドから落ち、立ち上がろうとしたけれど手や足が思うように動かなかったのだ。
自分の意志が行動に反映できないことのもどかしさが、記憶に強く残っている。
「根拠のない(客観的な評価のない)できるという思い込み」は有害なばかりか危険でさえあるのだ。

14時45分
 薬剤師さんの問診と現在服用中の薬の説明。

15時05分
 レンタルパジャマやトレーニングウェア、タオルが届く。

15時40分:Dr.の回診。
 ・左右に振られたペン先の動きを目で追う。
  右目はいくぶん外向き、左目は左端方向への動きがよくない。
  経過をみて必要だったら本院に行き眼科の診察も受けよう。
 ・体のふらつきはリハビリで改善の可能性がある。力点を置いて頑張ろう。

15時50分
~16時30分:ST

 ・3階言語聴覚室で。
 ・呼気の長さ、唇や口腔の動きなどの検査
 ・発声練習 など

17時00分:担当看護師より
 ・薬の管理、何かあったときや困ったときの相談窓口であること等の説明
 ・夕食前の血糖値の測定

18時~:夕食
 「食堂に行きましょう」
 介護福祉士(看護助士?)に車椅子を押してもらって食堂へ。所定の席に座る。
 着席していることが確認されると配膳。介助が不要のボクはそのまま「いただきます!」
  薄味だ。けれど普段から薄い味に慣れているボクは完食。おいしくいただいて「ごちそうさま!」

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全粥300g、鶏肉と海老甘煮、中華和え物、カボチャの甘煮。(エネルギー15単位)

19時15分
 部屋に戻りベッドに横になっているとバイタル測定。
 この後しばらくの間、朝起きた時と夜の二回、必ずバイタルの測定があった。
   
23時00分
 もう眠りについた頃「血糖値を測ります」の声で目を覚ました。
 寝る前の血糖値を測り継続して記録するのだった。

昨夜病院に泊った妻は朝からの慌ただしい一日にずっと付き合い、夕方ようやく相模原の自宅に帰った。
KMCに入院していた頃は2~3日置きに来て、口に出さなくても必要なものを察して用意してくれた。
二日前には東病院に近い介護用品レンタル店から車椅子を借り、今日の転院に備えてくれたのだった。
難しい手術をした後の入院生活を支え無事に転院できたのは妻の支えがあったからこそと感謝している。

KMC(埼玉県)から東病院(神奈川県)へ。長いはずの一日があっという間に過ぎていったような気がする。
本格的なリハビリが明日から始まる。新しい環境の中でボクはどう変っていくのだろう?
目の前の、今出来ることを頑張るだけ…。不安より期待でワクワクする気持ちの方が強かった。

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