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2017年2月23日 (木)

東病院編:リハビリ3

<眼>

2016年9月半ばのある朝、目が覚めて天井を見る。ベッドの真上に煙探知器がある。
顔を左に傾けやや右正面で見ると一つ、それから探知器を見ながらゆっくり顔を右に回す。
真正面から更に右に傾けやや左正面で見ると像は二つ。一つのはずの煙探知器が二重に見える。
今日の見え方もいつもと同じ。明日はきっと…。毎朝期待しながら見るのだけれど…。
              
「眼の位置が変。どっち向いて話しているのか分からない。」
ボクの眼は左右がズレているばかりか動きもシンクロしていないようだった。

ボクの眼は…

Photo



「退院後のQOL(Quality of Life=生活の質)をとても不安に思う。」
後日、当時のボクの「眼」について妻はそんなふうに話してくれた。

主治医Fuk.Drの話。
左右に振られたペン先の動きを目で追った時の動きを診て。
・右目はいくぶん外を向いている。左目は左端方向への動きがよくない。(9/01)
・複視(二重に見えること)の治療と体のリハビリは違う。
 たぶん神経の問題だから薬で今すぐ…というよりしばらく様子をみよう。
・本院の眼科を受診できるよう計画している。
 二重に見える問題が解消できればパソコンなども可能になる。(9/08、9/12)

こんなふうに顔を合わせる度にこまめに声をかけてもらえることがありがたい。
最も気になる問題についてのアドバイスや治療方針のていねいな説明が安心感にもつながる。

9月13日(火)の回診では次のような話もあった。
・本院の眼科受診が9/20(火)9:30~に決まった。
 症状の改善に向けて複数の方針が提案できるだろう。
・KMCの主治医O.Dr(手術の執刀医)とも連絡を取り合っている。(以下 O.Drの話)
 視覚神経は小脳の前部にあり、手術は後部からしているので前部には触っていない。
・手術からまだ1ヶ月。100%大丈夫とは言い切れないが今後改善していく可能性はある。

今まで顔をハスにして目をやや右正面に向けないと二重に見えていたモノが、
9月半ば辺りからは真正面で見ても重なっていないことに気が付いた。
斜め(ハス)からではなく正面から向き合って話をすることができる。
(神経の)麻痺は少しずつ改善されているようだ。良くなってきている!
Dr.が説明した通り改善の兆候が見えてきていることがいっそうの励みとなった。

<眼科受診>

9月20日(火)
朝食の時間、Fuk.Drの巡回があった。
「今日は眼科の受診ですね。
 担当のIsh.Drは私の友人でとてもいい先生です。」

「気を付けて行ってらっしゃい!」
いつものように「ヤッ!」という感じで手を上げた。
不安だった気持ちが診てもらえるという期待と安心感に変った。

本院と結ぶシャトルバスの予約は9時10分。
「そろそろ時間ですね。」
看護師が迎えにきた。当時まだ立って自力で歩くことはできなかった。
車椅子のまま移動できるマイクロバスだから遅れるわけにはいかないのだ。
しかし8時45分に来ると約束していた妻はまだ来ていなかった。
9時を過ぎてもまだ姿を見せなかった。まだか、まだ来ないか…。
「じゃぁ、私が付き添いましょうか?」
今日担当のS看護師が言った時、エレベータを降り急ぎこちらに向って来る妻が見えた。
朝からの雨のため車も道路も渋滞していたのだった。バスの中でイライラと足踏みをしていたと言う。

しかしとにかく間に合ってよかった。S看護師に代わって妻が車椅子を押す。
エレベーターで1階に降りシャトルバスに乗る。後部フロアに車椅子を固定してもらったら出発。

本院(K大学病院)はいつ来ても患者さん、付き添い、病院関係者の人たちで賑わっている。
長く待つかな…と思ったけれど、予約がしてあったためか比較的スムースに進んだ。
2階眼科診察室で問診。
器械のたくさん並んでいる検査室で視力検査・眼底検査・レンズを替えて検査など。
そして再び診察室へ。

眼科担当Ish.Drの説明。
・複視(モノが二重に見えること)は、
 神経や筋肉のマヒによる焦点のズレや動きの悪さが原因であると考えられる。
・こうした症状は脳外科手術をした人にはよく見られる。

モノの見え方

Photo_2

眼球を動かす筋肉について
・手術する、薬で改善する、プリズムレンズで補正する、(マヒが)自然に治まるのを待つ…。
 いくつかの選択肢がある。今は改善傾向にあるのでしばらく経過を見ることにしよう。
・眼球を動かすリハビリにも取り組む。目が疲れない程度ならTVやPC、読書もOK。
・次回は10月24日(月)10時。その時の診察で以降の方針を考えよう。

ていねいで分かりやすい説明に好感が持てた。

<再受診>

10月24日(月)

この頃は、原則として病棟内は杖、病棟外はシルバーカー等、それぞれ介助具利用の歩行許可が出ていた。
この日は自宅から持ってきたシルバーカーを押しながら本院へ向かった。
本院と結ぶシャトルバスも車椅子専用ではなく一般のマイクロバスを利用した。

やっぱり混んでいて前回(9/20)より時間はかかったけれど、事前に予約が入っていたこともあって
流れはスムースだった。今日は検査室ではなくすぐに診察室に案内された。Ish.Drが笑顔で迎えてくれた。

前回の検査結果を確認したり、備え付けの器械で目の奥を診たり、ペン先を追う目の動きを診たりした後…。
・劇的に良くなっています。もうこちらに来る必要はないでしょう。
・パソコンを見たり本を読んだりなど目を使うこと自体がリハビリになります。
何かあったら…ということで、相模大野駅近くの眼科医院を紹介してくれた。

良くなっているという言葉が嬉しかった。とりわけパソコンや本も大丈夫という話が嬉しかった。
相手の顔を正面に見て話すことができる、天気情報やニュースなどTVを見る事ができる、
雑誌や新聞、妻が持ってきてくれる本や写真集を見る事ができる。
見る事が「できる」とはこんなにも生活を豊かにしてくれるものなのか…。
今まで当たり前にできていたADL(日常生活の基本動作)が今まで通りに「できる」まで回復してきたのだ!

この文章の下書きを書いている時点(2017/02/21)では
立ったり歩いたり、見たり読んだり、話したりすることが「できる」。
けれど、
静止の状態から立ち上がった時や歩き始めた時、前後(左右)に振られるような感覚(足元がおぼつかない)がある。
自転車や歩行者など動きのあるもの、人の多い場所ではめまいやふらつきを感じる。
動きのあるものやパターン化された模様(壁や歩道などの)を見ると頭の中がフラッと揺れる。
新聞や本など細かい文字を見続けると涙目になったり目の奥が痛んだりで集中が10分と続かない。
こんな状態だから単独(付き添い無し)で行動するには不安の方が大きい。

(〇〇が)「できる」ということが願いではない。
ボクはさらに
・本や新聞、ネットなどを通して好奇心を満たしたい。
・会話やパソコンなどを通して自分の考えや思いを発信したい。
・家庭内の日常活動、特に料理など作れるようになりたい。
・近隣の公園や丘陵地はもちろん、野山を再び自由に歩きたい。

(〇〇が)「できる」まで回復してきたことはとても嬉しいし今まで頑張ってきた事への励みになる。
しかしボクは、さらに(〇〇を)「している・続けている」へ進みたいと思う。
QOL(Quality of Life=生活の質)をもっと高め、妻の不安を解消したいと願っているのだ。

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